No.05301 24.10.20 小さな明かり

暗闇の中でどっちに行ったらいいのかわからなくなったとき、ありがたいのは明かりだ、
周囲が全部見えるほどのがありがたいのはもちろんだんが、手元がやっと見える小さな明かりでも十分。
それを頼りに歩いていける。
賢人は心にそれを持てと言った。

No.05299 24.10.18 霧雨

霧雨のなか散歩した。
シャツが湿った。
でも気持ちいい。
洋服が濡れるくらいでガタガタいうなという気分。
子供の頃、服を泥だらけにしたことを思い出す。

No.05298 24.10.17 ツバメノート

万年筆を使っていると紙の裏側にインクが滲み出て読みにくくなることがある。
ツバメノートの紙は裏写りしないと聞いて久しぶりにその大学ノートを使ってみた。
書きやすくて読みやすくて楽しい。

No.05297 24.10.16 金木犀の香り

外に出ると金木犀の香りがした。
そういう季節になった。
ほぼ毎年のように金木犀の香りについて書いている。
毎年のように「切ないな」と感じたが、今年の僕は「切なく感じたな」とちょっと「切ない」から距離を置いていた。
知り合いも世話になった人もポツリポツリと亡くなっていく。
匂い如きで切なくはない。

No.05296 24.10.13 見知らぬおじさん

自転車で走ろうとしたら、鍵が壊れてて開かない。
いくらやっても開かないので、自転車屋さんで直してもらおうと、後輪を持ち上げてせっせと歩いていった。
自転車屋さんまで二キロ弱。
しかし、五百メートルほど行ったところで、還暦を過ぎた僕は疲れてしまう。
それでもヒーヒー言いながら後輪を持ち上げてハンドルをヨレヨレと支えながら歩いていると、見知らぬおじさんが声をかけてきた。
「どうしたの?」
「鍵が壊れて自転車屋さんまで持って行こうとしています」
「鍵は持っているの?」
「はいここに」とポケットから出すと、パッとそれを取って後輪の鍵穴に刺す。
「何度もやったよ」と思ったが、おじさんはガチャガチャと鍵を回したりいろんなところを滅多やたらに動かしてみる。
パチン
なぜか鍵が開いた。
「アー、ハッハ」とおじさんは歩いていった。
あのおじさん、天使だなと思った。

No.05294 24.10.09 アイスクリームメイカー

幼い頃、うちにはアイスクリームを作る機械があった。
円筒形のアルミ製カップに牛乳と卵、それからバニラエッセンスを入れて、モーターと羽根のついた蓋を閉める。
蓋にはコードがついていて電源に刺してスイッチを入れると羽根がくるくると回って牛乳や卵を撹拌する。
その機械全体を冷凍庫に入れておく。
するとアイスクリームの出来上がり。
牛乳と卵をただ凍らせるとガチガチのかたまりで食べられないが、この機械に入れておくと攪拌されてアイスクリームに空気が入り、柔らかくなる。
学校から帰って冷凍庫からコードが出ているとアイスクリームを作っている証拠。
それを見つけると母さんが盛り付けて出してくれるのが待ち遠しかった。

No.05293 24.10.08 ベートーベンピアノ協奏曲第五番皇帝

相方と話していて「あれって皇帝だっけ?」と言われ、ベートーベンピアノ協奏曲第五番を思い出す。
僕が小学生の頃に兄が三曲のピアノ協奏曲が入っているアルバムを買ってきた。
その中に「皇帝」も入っていた。
他の二曲はモーツアルトの二十番と二十七番。
どれもいい曲だけど、小学生の僕には「皇帝」が一番カッコよかった。
ピアノはゼルキン、楽団はニューヨークフィル、指揮はバーンスタイン。
久しぶりに探し出して聞いた。

No.05292 24.10.06 無人販売店

テレビで野菜の無人販売店を見た。
野菜が並んでいて、価格が書かれていて、買いに来た人はその金額をどこかに置いていく。
それで思い出した、ハワイ島でのこと。
車で走っていたらレイがたくさんかけてあったので、なんだろうと思って止めた。
歩み寄ると「レイひとついくら」と書かれていて、そばにはポストのような箱が置かれていた。
いくらだったが忘れたが、その金額をポストにいれ、レイを車で待っていた相方にあげたら、喜んでくれた。
ケアラケクア湾、キャプテンクックの碑が見えるところの近くだった。