No.05142 24.01.31 曖昧な境界

生きていることを考えるとき、いろんなことの境界は曖昧になる。
だからと言って、死ねば境界がはっきりするかというと、そういう訳ではない。
境界をはっきりさせることは、幻想を生み出すのではないか。
境界を示すために言葉を使う。
それが理由かもしれない。

生命はずっと、言葉を使わずに生きてきた。
魚も両生類も爬虫類も鳥類も哺乳類の多くも、言葉は使わずに生き続けてきた。
それが、なぜか人間が、言葉を生み出した。
言葉があると便利である。
なんでもわかった気になれる。
その理解が正しくないかもしれないのに。
単なる誤解も正しいと思うことで流布される。
歴史を見れば、人間は誤解を積み重ねてきたことがわかる。
現代の知識でその誤解を解いたと思い込んでいる。
どの時代に生きた人間も、そのときどきの知識が一番正しいと思っていたはず。
現代の知識も、時が経てば、笑いぐさにされるのかもしれない。
でも、一握りの真実が、言葉にもあるはず。
それは確実に伝達され、僕もそれを利用している。
にもかかわらず、それを言葉にするのは難しい。
生命が長いあいだ生きてきたのに、遺伝情報がどんなものかを正しく認識できないのに似ている。

No.05141 24.01.29 シェア型書店

先日、茅ヶ崎駅そばにある「とまり木」というシェア型書店に行った。
「読書会をやるから来て」というお誘いがあっから。
面白いシステムの本屋さんだと思って調べると、東京にも何軒かすでにある。
どこかでオーナーになってみようかな。

No.05140 24.01.28 タコ焼きパーティー

関西人は年に何回かやるというタコ焼きパーティーをしてみた。
具材としてタコのほかに、こんにゃくや天かす、ネギ、紅生姜などを用意してもらい、小麦粉を出汁で溶かして作ってみる。
慣れるに従って丸い美味しそうなタコ焼きができてきた。
美味いだとか、作り方が下手だとか、あーでもないこーでもないと言い合いながら盛り上がる。

No.05139 24.01.27 金子みすゞ伝

友人に誘ってもらって神田京子大独演会に行ってきた。
演目は「金子みすゞ伝〜明るいほうへ」。
笑点に出演している春風亭一之輔が前座で、1100席あるという有楽町よみうりホールが満席でおこなわれた。
講談を1000人規模でやるなんてすごいなと思ったが行ってよかった。
落語と講談が素晴らしかったのはもちろんだが、最後に矢崎節夫という童謡作家が登場して、どのように金子みすゞの遺稿集に出会ったかをうかがった。
運命の巡り合わせというものがあるんだなと思い感激した。

No.05138 24.01.23 江の島

江の島はかつて橋ができるまでは、干潮のときだけ歩いて行ける島だった。
そのような場所は寺院ができやすい。
例えば、フランスのモン・サン・ミッシェル。
バリ島にはタナロット寺院がある。
潮汐の力で行ける場所。
その不思議な力に人々は神を見たのだろう。

江ノ島縁起という古文書には欽明天皇13年(西暦552年)に江の島ができたという記述があるそうだ。
江の島ができるまではその辺りは五頭龍が悪さをして、山崩れや洪水を起こしていたという。
江の島ができると一緒に天女が降りてきた。
その美しさに五頭龍は求婚するが、天女はそれまでの五頭龍の悪行を知っていて断る。
五頭龍は心を入れ替えて、村人たちの助けになることをたくさんして天女と結ばれたそうだ。
おそらく江の島ができたことで、地盤が隆起し、そのあたりの土地が以前より安定したのだろう。
関東大震災のときにも、江ノ島の一部が隆起したことが知られている。

No.05137 24.01.22 読者登録

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No.05136 24.01.21 言霊とは何か?

生物の遺伝子をもし書き換えたとしたら、何が起きるだろうか?
多くの場合、その遺伝子から生命は産まれなくなる。
もし産まれたとしても、育ちにくい生命が生まれる。
優れた生命が生まれることはとてもまれなはずだ。
結果として、生き残るのはこのまれな生命である。
だから、遺伝子が書き換えられて生き残るものだけが命を継続し、結果として遺伝子が書き換えられることはいいことのように思われてしまうのかもしれない。
しかしそれは多くの犠牲の上に成り立つものだ。
書き換えられた結果うまく生きられなくなった生命という犠牲の上に。
書き換えられてもうまくいく確率はどのくらいのものなのだろう?

言葉は現実を正しく伝えるために作られたが、嘘をつくことができる。
嘘をつくと言葉は現実を正しく伝えることをやめる、できなくなる。
だから、言葉は正しく使わなければならない。
しかし、人間は間違えてしまうものだ。
正しく使うためには学ばなければならない。
言葉を正しく使うことができる人は、正しく組み合わされた言葉によって信頼を得る。
信頼が積み重なることによって言霊が生まれる。
そういうもんじゃないかな?

No.05135 24.01.18 龍の話

12年前の辰年には龍の話なんてほとんどしなかったように思う。
ところが、今年はあちこちで龍の話を聞く。
なぜかな?
伊勢神宮の式年遷宮も、前々回には気にする人はあまりいなかったのに、平成25年には知らない人はいないというような状態になった。
大切なものを思い出そうとしているようだ。

No.05134 24.01.17 温泉宿のタオル

温泉宿のタオルはペラペラなやつが好き。
楽にしぼれるから。
少し厚いタオルはしぼるのに余計な力がいる。
だから、いっそのこと、手ぬぐいがいいのかも。
でも、昨今手ぬぐいの方がタオルより高い気がする。
うちでお風呂に入るとき、手ぬぐいを使ってみようかな。

No.05133 24.01.16 悩む

正しい悩みはいいものだと思う。
世の中は複雑だ。
簡単な答えが見つからないとき、正しく悩む。
A国とB国が戦争しそうだとしよう。
回避の方法はなかなか見つからないかもしれない。
それでも方法を探る。
それが尊い。
どちらかの国にとっての簡単な答えは、多くの命を奪う。
そういうとき、悩むべきだ。
相手を負かして解決すると、それが次の問題を生む。
命を粗末にしてはならない。