僕の記憶の中にどうしても他人に知られたくない個人的記憶がある。
なぜそれらを知られたくないのか。
ひとつには「恥ずかしいから」というものがある。
「他人に迷惑がかかるかもしれないから」というものもある。
単なる「自慢話に思われたくないから」というのもある。
これは複雑で、自慢話に思われてもいいと書くものと、書かないものがある。
この二つの境は曖昧だ。
かつては書かなかったが、書くようになったものがある。
僕にとって単に「嬉しかったこと」が、誰かによって「自慢話だ」と思われるのが嫌なのだ。
今までだって「自慢話だ」と思われたくないことも書いたが、どうしてもそうは思われたくないことを書かないでいるが、そうやっていつかは忘れてしまうのは悔しいとも思う。
他人にとっては「どうでもいいこと」だろう。
でも、胸の内にしまっておく。
そういう記憶は他人にとって「存在する」のか「しない」のか?
No.05341 25.01.07 信じる
「他人やマスメディアの言うことは軽々と信じないほうがいい」というのはわかる。
でも一方で、他人が言うことを信じられなくなったら文化はどのように継承されていくのだろう?
「信頼できる人だけを信じる」というのはどうも危うい。
「嘘つきを見抜く」というのは難しい。
自分にできることをする。
シンプルでいい。
No.05335 24.12.23 書いたあとでわかること
文章を書くと、普段は漫然と生きていることがわかる。
書くことで意識が何かにフォーカスされる。
するとフォーカスしたためにかつては理解できなかったことが理解できるようになる。
しかも、そのフォーカスは普段の生活にも影響するため、偶然の発見や出会いも多くなる。
この行程を何度か繰り返すと、思いもよらぬ結果に導かれることがある。
個人的には些細な工程かもしれないが、人類全体でそれをしているとなるとかなりの影響があるはず。
こうして人間の心は進化しているのではないか?
No.05333 24.12.20 読んでいただく
気持ちいいものを書くのは、どこか求道のようなところがあり、他人がどのように見ていようと関係ないと思いながら、メールの読者が増えたり、Xでハートがついたりリポストされたりすると励みになります。
読んでいただき、ありがとうございます。
No.05330 24.12.13 祈り
酒を飲んでいて友人に不意に「自分にとって祈りとはどういう意味があるのか?」と問われた。
いろんな意味があるだろうけど、酒の席で答えられるような粋な答えは浮かばなかった。
二日ほどしてふと思いついたこと。
酒の席向きの答えではないが、ある答えが降りてきた。
「生きていなさい」
母の言葉だった。
なぜか母はことあるごとに「生きていなさい」とか「死んだらダメよ」とかよく言った。
僕は死ぬ気はないし、生きているのが当たり前と思っていたので、なんでそんなことを言われるのか理解できなかった。
酒席の問いで、あれは母の祈りだったんだなと理解できた。
No.05320 24.11.28 違うか一緒か
あなたと私は違うが、日本人だという点で一緒だ。
あなたがどこか別の国の人だとしたら、国は違うが人間だという点で一緒だ。
あなたが人間以外の動物だとしても、動物種が違うが生命という点で一緒だ。
あなたが地球外生命体だとしても、住んでいる星が違うが生きているという点で一緒だ。
どんな存在も違う点はあるが、同じ点もある。
光が波動であり、粒子であるのと同じ。
違ったり、一緒であることを楽しもう。
No.05319 24.11.24 近所の銭湯
銭湯に行くのは滅多にないことですが、お風呂の給湯器が壊れてしまったので修理が済むまで通います。
何十年か前にもそんなことがありました。
そのときに行った銭湯はもう今はありません。
ほとんどの家にお風呂があるようになってから、銭湯は斜陽産業だと聞いていました。
桜台駅のそばにある銭湯久松湯に行きました。
そこは10年ほど前に建物全体をリニューアルしていました。
入ろうとしたら、人がいっぱいで入れません。
お風呂に入るのに10分ほど待たされました。
待合室にはほかにも待っている人が20名ほどいました。
番号札を呼ばれて料金を払い中に入ると、脱衣所が混雑しています。
やっとロッカーを見つけて着替えようとしたら、隣にいた年配の方に声をかけられました。
「この風呂いいよねぇ」
「そうなんですか? ここに入るのははじめてです」
「そうなの。どうしてここを知ったの?」
「近所なので、あることは前から知ってました」
「そうなんだ。俺はね、銭湯好きな仲間から教えてもらったんだよ」
「じゃあ、遠くからいらしたのですか?」
「高田馬場」
「それは遠いですね」
「バイクで週に一度は来るんだよ」
浴場は普通の銭湯より工夫されていました。
普通のお風呂のほかに、電気風呂、泡風呂、水風呂、31度の低音風呂があり、露天風呂は温泉になっています。
余計に550円払うとサウナにも入れます。
サウナに入らなければ料金は銭湯と同じ。
銭湯好きにはたまらないかも。
銭湯が斜陽産業だなんて、誰が言ったんだ。
No.05318 24.11.22 芝生になる
ヨーロッパに行った知人のサッカー選手からメールが来た。
「こんなメールをもらったんだけど、なんて返事をすればいいと思う?」
そのあとに引用マークのついた文が続いていた。
「お久しぶりです。ご活躍の様子、配信で見てます。
ヨーロッパでプレイする者同士、意見を聞かせてください。
〇〇さんに<雑草のように踏みつれられても生えてくる強さを持て>と言われました。
確かにその通りだと思いますが、先日ピッチの整備を手伝うことになり、
雑草を抜いているとき、その言葉を思い出し、
これが俺かと思いました‥」
なんでそんな質問に僕が答えるんだろう?
と思ったところで 目が覚めました。
「変な夢」と思いながら水を飲み、ダイニングの椅子に座ると、返信の文面が浮かびました。
「確かにかつては日本人選手は雑草の様に強い心を持たなければヨーロッパではプレイできなかった。
だけど、今は活躍する選手が増え、もう日本人プレイヤーは雑草ではないと思う。
もう芝生の一部だ。
大谷がワールドベースボールで<憧れるのをやめよう>と言ったように、
君には芝生からの視点が大切なのかも」
僕はフットサルをしただけで全身筋肉痛になります。
そんな僕が「偉そうなこと言うな」とどこかで思いました。
そして、「なんでこんな夢を見たんだろう?」と思いました。
No.05303 24.10.23 歌聖
友人である国語の先生が訪ねてきて相談された。
「和歌が好きな生徒がいるんだけど、その子はずっとたくさんの和歌を詠んでは学生コンクールで優勝をしてきた子なの。古典研究で高名な〇〇先生に会って以来ピタッと和歌を詠まなくなったんだけど、どうしたらいいと思う?」
「〇〇先生に何か言われたの?」
「そうだとは思うけど、何をいわれたのかまでは・・・」
その生徒の歌集を読んで会うことになった。
僕には和歌の専門的な知識はないが、読むとなんとなくうまいことがわかった。
「素敵な和歌を詠むね」
「そうですか?」
「詠むの好きだったんでしょう?」
「まあ」
「次の作品も読ませてよ」
「もう詠まないと思います」
「なんで?」
「〇〇先生にお前は歌聖などではないと言われました」
「おや、〇〇先生は君のこと、歌聖と比べたの?」
「いえ、友達が僕のことを歌聖だと紹介したんです」
「なるほど。だから詠むのやめたんだ」
「はい」
「君は自分のこと歌聖だと思っていたの?」
「いいえ、みんながそう言うだけです」
「自分が歌聖になるとしたら、何が足りないと思う?」
「わかりません」
「本当? 歌聖とはどういう人か調べた?」
「はい」
「調べたらどうだった?」
「そんな人にはなれないと思いました」
「歌聖になりたかったの?」
「いえ」
「だったら今までどおり和歌を詠い続けたら?」
「でも、恥ずかしくなりました。和歌があんなに深いものだとは知らなかった」
「そうなんだね」
「だから詠いません」
「歌聖ではないと言われる前に何か言われた?」
「こんなふうにも読める、あんなふうにも読めると、思ってもいなかった解釈を言われました」
「それでどうしたの?」
「そんなふうに思って詠ったのではありませんと答えました」
「なるほど、いろんな解釈を聞いてどう思った?」
「どうって、正直いうと、意地悪なものの見方するんだなと思いました」
「そうかもね」
「そうですよね」
「もし君が本物の歌聖だったらどう答えたと思う?」
「えっ? わかりませんけど、そうですね、その場で粋な答えを和歌で詠ったかもしれませんね」
「それは素敵な答えだね。なんて答えた?」
「今はすぐには浮かびません」
「ということは、〇〇先生はあなたが本当の歌聖になるためのヒントをくれたのかもね」
「え、そうなんですか?」
「あなたがどう解釈するかだからね。好きな解釈でいればいいと思うよ」
彼は帰って行った。
後日友人から、「また和歌を詠むようになりました」と連絡をもらった。
今朝見た夢。
僕にとってどんな意味がある夢なのか。
No.05296 24.10.13 見知らぬおじさん
自転車で走ろうとしたら、鍵が壊れてて開かない。
いくらやっても開かないので、自転車屋さんで直してもらおうと、後輪を持ち上げてせっせと歩いていった。
自転車屋さんまで二キロ弱。
しかし、五百メートルほど行ったところで、還暦を過ぎた僕は疲れてしまう。
それでもヒーヒー言いながら後輪を持ち上げてハンドルをヨレヨレと支えながら歩いていると、見知らぬおじさんが声をかけてきた。
「どうしたの?」
「鍵が壊れて自転車屋さんまで持って行こうとしています」
「鍵は持っているの?」
「はいここに」とポケットから出すと、パッとそれを取って後輪の鍵穴に刺す。
「何度もやったよ」と思ったが、おじさんはガチャガチャと鍵を回したりいろんなところを滅多やたらに動かしてみる。
パチン
なぜか鍵が開いた。
「アー、ハッハ」とおじさんは歩いていった。
あのおじさん、天使だなと思った。

