幼い頃、うちの風呂桶は木製だった。
ガスで沸かしたが、風呂桶の一部に上がり湯専用の桶があり、そこは風呂桶と独立していたので、いつもきれいなお湯が張られていた。
そのお湯は風呂桶のお湯より少し高い温度だった。
風呂上がりにそのお湯を取り、水を足して適温にして、最後に浴びて上がったものだった。
お風呂にシャワーがつくと、上がり湯は使わなくなった。
シャワーがない頃、体を洗うのは手桶で風呂桶からお湯を取っていた。
だからお湯は大切に使っていた。
体を洗うのにお湯を節約する方法を母から教えてもらった。
風呂桶のお湯を汚さないように教えられた。
だから、欧米の人たちのお風呂の使い方に驚いた。
風呂桶内で石鹸を使い、流さずにタオルで拭いて終わり。
風呂桶のお湯で温まり、上がり湯で清めてからあがる日本とはかなり違う。
明治維新の頃に来た外国人が、日本人の清潔さに驚いたのは、こんなところにも理由があったんだろうな。


