No.05398 25.07.01 理会する

小学一年生が習うはずだったことをいま学び直している。
小学一年生が習うことなんてとても簡単で学び直す必要なんてないと普通は思うだろうが、明治11年生まれの教育者、垣内松三の本によると、理会することを前提に小学一年から教えないとならないという。
「理会する」とはどういうことか。
「理解する」より深い内容を読み取っていくことをいう。
例えば文体や使っている単語から、作者が何を表現したいのかを読み取る。
さらに作品に登場する人たちが、どんな社会的背景を持ち、どんな暮らしをし、どんな境遇にいるのかを読み取る。
その上で、文章に潜む核心を掴んでいくというのだ。
そのようなことができるように初学者(小学一年生)から教えていかなければならないという。
戦前の教育者は、日本語の深い意味を汲み取れる人になるように、初学者から導いていくように、それができる人にどうしたらなれるかを学んでいた。
かつての日本語教育の質の高さを実感する。