No.05333 24.12.20 読んでいただく

気持ちいいものを書くのは、どこか求道のようなところがあり、他人がどのように見ていようと関係ないと思いながら、メールの読者が増えたり、Xでハートがついたりリポストされたりすると励みになります。
読んでいただき、ありがとうございます。

No.05330 24.12.13 祈り

酒を飲んでいて友人に不意に「自分にとって祈りとはどういう意味があるのか?」と問われた。
いろんな意味があるだろうけど、酒の席で答えられるような粋な答えは浮かばなかった。
二日ほどしてふと思いついたこと。
酒の席向きの答えではないが、ある答えが降りてきた。
「生きていなさい」
母の言葉だった。
なぜか母はことあるごとに「生きていなさい」とか「死んだらダメよ」とかよく言った。
僕は死ぬ気はないし、生きているのが当たり前と思っていたので、なんでそんなことを言われるのか理解できなかった。
酒席の問いで、あれは母の祈りだったんだなと理解できた。

No.05320 24.11.28 違うか一緒か

あなたと私は違うが、日本人だという点で一緒だ。
あなたがどこか別の国の人だとしたら、国は違うが人間だという点で一緒だ。
あなたが人間以外の動物だとしても、動物種が違うが生命という点で一緒だ。
あなたが地球外生命体だとしても、住んでいる星が違うが生きているという点で一緒だ。
どんな存在も違う点はあるが、同じ点もある。
光が波動であり、粒子であるのと同じ。
違ったり、一緒であることを楽しもう。

No.05319 24.11.24 近所の銭湯

銭湯に行くのは滅多にないことですが、お風呂の給湯器が壊れてしまったので修理が済むまで通います。
何十年か前にもそんなことがありました。
そのときに行った銭湯はもう今はありません。
ほとんどの家にお風呂があるようになってから、銭湯は斜陽産業だと聞いていました。
桜台駅のそばにある銭湯久松湯に行きました。
そこは10年ほど前に建物全体をリニューアルしていました。
入ろうとしたら、人がいっぱいで入れません。
お風呂に入るのに10分ほど待たされました。
待合室にはほかにも待っている人が20名ほどいました。
番号札を呼ばれて料金を払い中に入ると、脱衣所が混雑しています。
やっとロッカーを見つけて着替えようとしたら、隣にいた年配の方に声をかけられました。
「この風呂いいよねぇ」
「そうなんですか? ここに入るのははじめてです」
「そうなの。どうしてここを知ったの?」
「近所なので、あることは前から知ってました」
「そうなんだ。俺はね、銭湯好きな仲間から教えてもらったんだよ」
「じゃあ、遠くからいらしたのですか?」
「高田馬場」
「それは遠いですね」
「バイクで週に一度は来るんだよ」
浴場は普通の銭湯より工夫されていました。
普通のお風呂のほかに、電気風呂、泡風呂、水風呂、31度の低音風呂があり、露天風呂は温泉になっています。
余計に550円払うとサウナにも入れます。
サウナに入らなければ料金は銭湯と同じ。
銭湯好きにはたまらないかも。
銭湯が斜陽産業だなんて、誰が言ったんだ。

No.05318 24.11.22 芝生になる

ヨーロッパに行った知人のサッカー選手からメールが来た。
「こんなメールをもらったんだけど、なんて返事をすればいいと思う?」
そのあとに引用マークのついた文が続いていた。
「お久しぶりです。ご活躍の様子、配信で見てます。
 ヨーロッパでプレイする者同士、意見を聞かせてください。
 〇〇さんに<雑草のように踏みつれられても生えてくる強さを持て>と言われました。
 確かにその通りだと思いますが、先日ピッチの整備を手伝うことになり、
 雑草を抜いているとき、その言葉を思い出し、
 これが俺かと思いました‥」
なんでそんな質問に僕が答えるんだろう?
と思ったところで 目が覚めました。
「変な夢」と思いながら水を飲み、ダイニングの椅子に座ると、返信の文面が浮かびました。
「確かにかつては日本人選手は雑草の様に強い心を持たなければヨーロッパではプレイできなかった。
 だけど、今は活躍する選手が増え、もう日本人プレイヤーは雑草ではないと思う。
 もう芝生の一部だ。
 大谷がワールドベースボールで<憧れるのをやめよう>と言ったように、
 君には芝生からの視点が大切なのかも」
僕はフットサルをしただけで全身筋肉痛になります。
そんな僕が「偉そうなこと言うな」とどこかで思いました。
そして、「なんでこんな夢を見たんだろう?」と思いました。

No.05303 24.10.23 歌聖

友人である国語の先生が訪ねてきて相談された。
「和歌が好きな生徒がいるんだけど、その子はずっとたくさんの和歌を詠んでは学生コンクールで優勝をしてきた子なの。古典研究で高名な〇〇先生に会って以来ピタッと和歌を詠まなくなったんだけど、どうしたらいいと思う?」
「〇〇先生に何か言われたの?」
「そうだとは思うけど、何をいわれたのかまでは・・・」
その生徒の歌集を読んで会うことになった。
僕には和歌の専門的な知識はないが、読むとなんとなくうまいことがわかった。
「素敵な和歌を詠むね」
「そうですか?」
「詠むの好きだったんでしょう?」
「まあ」
「次の作品も読ませてよ」
「もう詠まないと思います」
「なんで?」
「〇〇先生にお前は歌聖などではないと言われました」
「おや、〇〇先生は君のこと、歌聖と比べたの?」
「いえ、友達が僕のことを歌聖だと紹介したんです」
「なるほど。だから詠むのやめたんだ」
「はい」
「君は自分のこと歌聖だと思っていたの?」
「いいえ、みんながそう言うだけです」
「自分が歌聖になるとしたら、何が足りないと思う?」
「わかりません」
「本当? 歌聖とはどういう人か調べた?」
「はい」
「調べたらどうだった?」
「そんな人にはなれないと思いました」
「歌聖になりたかったの?」
「いえ」
「だったら今までどおり和歌を詠い続けたら?」
「でも、恥ずかしくなりました。和歌があんなに深いものだとは知らなかった」
「そうなんだね」
「だから詠いません」
「歌聖ではないと言われる前に何か言われた?」
「こんなふうにも読める、あんなふうにも読めると、思ってもいなかった解釈を言われました」
「それでどうしたの?」
「そんなふうに思って詠ったのではありませんと答えました」
「なるほど、いろんな解釈を聞いてどう思った?」
「どうって、正直いうと、意地悪なものの見方するんだなと思いました」
「そうかもね」
「そうですよね」
「もし君が本物の歌聖だったらどう答えたと思う?」
「えっ? わかりませんけど、そうですね、その場で粋な答えを和歌で詠ったかもしれませんね」
「それは素敵な答えだね。なんて答えた?」
「今はすぐには浮かびません」
「ということは、〇〇先生はあなたが本当の歌聖になるためのヒントをくれたのかもね」
「え、そうなんですか?」
「あなたがどう解釈するかだからね。好きな解釈でいればいいと思うよ」
彼は帰って行った。
後日友人から、「また和歌を詠むようになりました」と連絡をもらった。
今朝見た夢。
僕にとってどんな意味がある夢なのか。

No.05296 24.10.13 見知らぬおじさん

自転車で走ろうとしたら、鍵が壊れてて開かない。
いくらやっても開かないので、自転車屋さんで直してもらおうと、後輪を持ち上げてせっせと歩いていった。
自転車屋さんまで二キロ弱。
しかし、五百メートルほど行ったところで、還暦を過ぎた僕は疲れてしまう。
それでもヒーヒー言いながら後輪を持ち上げてハンドルをヨレヨレと支えながら歩いていると、見知らぬおじさんが声をかけてきた。
「どうしたの?」
「鍵が壊れて自転車屋さんまで持って行こうとしています」
「鍵は持っているの?」
「はいここに」とポケットから出すと、パッとそれを取って後輪の鍵穴に刺す。
「何度もやったよ」と思ったが、おじさんはガチャガチャと鍵を回したりいろんなところを滅多やたらに動かしてみる。
パチン
なぜか鍵が開いた。
「アー、ハッハ」とおじさんは歩いていった。
あのおじさん、天使だなと思った。

No.05287 24.09.25 ドルフィン

映画「2010年」の主人公フロイド博士の奥さんがイルカの研究をしている人だった。
それを見て、ベルギーで会ったキャサリン・ダジンスキー博士を思い出した。
ジョン・C・リリー博士とダジンスキー博士と一緒に食事をして、二人の写真を撮ってあげた。
当時はまだフィルムカメラで、現像したら二人にあげると約束していた。
ところが、ブリュッセル中央駅でフィルムを入れたカバンを盗まれてしまった。
東京に帰ってメールで事情を伝えて詫びた。
リリー博士は日本でも何冊か翻訳本が出ているからご存知のかたはいるだろう。
イルカの研究をした博士で、映画「イルカの日」のモデルとなった。
人間の脳についても研究したため、「アルタード・ステイツ」という映画のモデルにもなった。
ベルギーで会ったとき、ダジンスキー博士の研究についてほとんど何も知らなかったので、話題の中心はリリー博士の研究だった。
中学生のとき「イルカの日」を見て以来、リリー博士は僕にとっての憧れの人。
その席にダジンスキー博士がいた。
そのときの雰囲気が映画「2010年」の主人公フロイド博士の奥さんに似ていた。
それで28年も前にたった一度会ったダジンスキー博士を思い出した。
2000年前後にイルカの研究で御蔵島にいたことは知っていた。
でもわざわざ会いに行くという関係でもないので、ずっと会わずにきた。
ネットで調べたら、ダジンスキー博士は「ドルフィン」という映画にご本人が出演している。
会ったのは1996年で、まだ映画「ドルフィン」は公開されていなかった。
映画「ドルフィン」を探してみた。
アマゾン・プライムビデオにあった。
音楽はスティング、ナレーションは007を演じたピアース・ブロスナンだった。
アカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門でノミネートされたそうだ。
イルカと泳ぐシーンを見て、かつて毎年のように御蔵島に通ってイルカと泳いだことを思い出した。

No.05285 24.09.22 100歳

昨日、父の誕生日でした。
生きていたら100歳。
父は「敗者の文学」を追求していました。
僕が幼い頃は、「勝者の文学」を追求したほうが儲かって良いと思っていましたが、最近になって、やっとその深い意味が分かってきた気がします。
父さん、100歳の誕生日おめでとう。

No.05284 24.09.19 大切にする

日本人はどんなものも大切にします。
なにしろカマドにもトイレにも神様がいると感じるのですから。
万物に神聖さが宿っています。
だからこそあらゆるものを大切にする。
大切に育ててもらった人はそのオーラが宿ります。
大切に使われたものにもそのような雰囲気が宿ります。
だから日本には特別な雰囲気が生まれるのだと思います。
海外からいらしたかたは、ぜひ自分が何かを大切にすることを通して、日本に宿る特別な雰囲気を生み出す人になってください。
それが日本が時代を超越していいものを残せる文化を育んでいる秘密の一つだと思います。