子供時代を忘れていない教師は、それだけでいい教師であるという。
この文章を読んで、子供の頃の疑問を思い出した。
小学一年か二年のときにシャクトリムシを見た。
伸びたり縮んだりして歩いていた。
それを授業で詩に書いた。
練馬区の文集「練馬の子ら」の扉ページに掲載された。
「なんであんな詩が区の文集トップに採用されたのか?」と幼いながらに思った。
どんな詩だったのか、細かいところは覚えてない。
不思議に思っていたことを思い出してから、シャクトリムシを見たときのことを思い出す。
あんなふうに歩く虫をはじめて見たので興奮していた。
それをただ書いただけ。
幼い僕は詩とはどんなものか、理解していなかった。
「タカシくんがまんまるな目をしてシャクトリムシを見た」
そこだけを覚えている。
きっと審査をしてくださった先生が子どもらしい心を読み取ってくれたのだろうと、やっと思うことができた。
良い教師とは、半世紀以上経ってからでも教えてくれる。