No.05029 23.07.21 君たちはどう生きるか

宮崎駿の最新作。
面白かった。
見事だと思った。
説明のつかない場面がたくさん出てくるが、それがいい。
ああかこうかといろんなことを考えさせてもらった。
それは自分の心や気持ちに関すること。
今までの作品にも説明のつかない何かはよく出てきたが、そういうもののてんこ盛り。
それでも満足させてしまうというマジックがある。
寝て見る夢は説明のつかないもの。
でも、朝起きると爽快だったりする。
そういう感覚を与えてもらった。

No.05006 23.06.25 三つの夢

2023年6月19日の朝、三つの夢を見て目が覚めた。
正確には、目が覚めたとき、三つの不思議な物語が頭の中にあった。
三つともありありと思い出せる。
でも、夢を見た感覚はなかった。
起きて三つの夢を書き留めようとした。
そうして書いたのが、No.05004の「かき氷」とNo.05005の「ゴムのオブジェ」だ。
三つ目の夢はそのときすぐには書き留められなかった。
だけど、あまりにも三つの物語としてうまくまとまっていたから、「すぐに書き留めなくても平気だろう」と後回しにした。
しばらくして書き留めようとしたが、まったく思い出せない。
三つの物語はどれも「喪失」がテーマだ。
そして最後の物語のタイトルは「その女」。
しかし、どうしても内容が思い出せない。
夢というやつは、どうして思い出せなくなるのだろう?

No.05005 23.06.22 ゴムのオブジェ

ガラス・ミュージアムに行った。
ガラスを素材とした美術・工芸作品が集められている。
作品を見てまわると、一点だけとても気になる作品があった。
タイトルは「ゴムのオブジェ」。
じっと見ると素材はゴムのようだ。
でも、ここはガラスのミュージアム。
なぜゴムの作品があるのか?
ゴムのように見えるが、実はガラス製なのだろうか?
形も不思議だ。
女の裸体のようにも見えるし、宇宙船のようにも見えるし、細胞分裂のようにも見える。
係員のような男が来たので訊ねた。
「これはガラス製ですか?」
「すみません。僕はバイトであまり詳しくありません。学芸員はいま外出中で二時間ほどで戻ると思います。
二時間は待てないのでその日は帰った。
一週間ほどのちに再訪した。
「ゴムのオブジェ」があった場所に行くと、そこには立派なガラス細工が飾ってあった。
「水盤」と書かれている。
学芸員を呼んで質問した。
「ここにあったゴムのオブジェはどこに行きましたか?」
「ゴムのオブジェ?」
彼はしばらく考えてからこう答えた。
「ここはガラス・ミュージアムです。ゴム製の作品は置いてないですよ」
「一週間ほど前ここにあったんですけど」
「いや、ないと思いますよ。確かに一週間ほど前にはこの水盤は修繕に出していましたけど、ゴムのオブジェなんて置いてないです」
「いや、あの、ここに女性の裸体のような、宇宙船のような、細胞分裂のような形のゴムのオブジェがあったんです」
「それはどんな形ですか? 想像できませんね」
「いや、だから、」
「とにかくゴムのオブジェは置いていません。何かの勘違いではないですか?」
僕の心の中にあるゴムのオブジェ、これはいったい?

No.05004 23.06.19 かき氷

ある時、ある場所にアンティークな雰囲気の喫茶店があった。
その店に入り、ブレンドコーヒーを頼んだ。
若い女の店員がコーヒーと一緒に小さなかき氷を持ってきた。
「これは?」
「サービスです」
女はカウンターの中に戻って行った。
そのかき氷は、氷がフワフワで、食べたことのない味がした。
カウンターの向こうにいる店員に聞いた。
「これは何のシロップですか?」
「お客様はこの店ははじめてですよね」
「はい」
「次にいらしたときにお教えします」
ちょっとムッとした。
なぜいま教えてくれないんだ。
きっとこれはお店のプロモーションの手法なのだろう。
その手に乗るか。
二度と来ないと心に決めた。

あれから三年が過ぎた。
いまだにあの店の雰囲気とかき氷の味が忘れられない。
再びアンティークな雰囲気の喫茶店に来た。
前と同じ席が空いていたのでそこに座った。
若い男の店員がやってきた。
ブレンドコーヒーを頼んだ。
しばらくしてコーヒーだけがやってきた。
店員に質問した。
「あの、かき氷は?」
男は「かき氷?」と復唱し、「うちには置いていませんよ」という。
「三年ほど前にここでコーヒーを頼んだら、サービスですとかき氷が出てきたんですけど」
「うちではないでしょう。この店を僕は五年ほど経営していますが、かき氷なんて出したことありませんよ」
言葉を失った。
男は「ごゆっくり」と言って
カウンターの奥に消えた。

No.04809 22.08.04 夢の少女たち

夢の中で、見知らぬ少女たちとサイクリングした。
途中で雨が降ってきた。
その夢の普通ではない点は、少女たちの顔を目覚めても憶えていたこと。
会ったこともない、見たこともない顔だった。
これから実際に会うのだろうかと期待したが、三日ほどで忘れた。