No.05166 24.03.09 水平線の上の希望

水平線は単なる線じゃないのよ。
彼女はつぶやいた。
どこまでも遠くにある海が、私には線に見えるだけ。
そこには風が吹き、白波が立ち、海鳥が渡り、魚が飛び跳ねている。
それが線に見えるだけ。
線に見えるけど、無限や永遠に繋がっている。
見尽くすことはできない、可能性の宇宙。
彼女の指先にも、無限や永遠が宿っている。