No.05164 24.03.07 雪の日

小学生の頃、僕は冬でも半ズボンを履いていた。
乾燥した日が続くと股の内側がこすれて痛くなった。
それでも母は半ズボンを履かせたがった。
母には幼い頃に寒さに慣れると、大人になっても風邪をひきにくくなるという思い込みがあった。
だから、僕もそれに従っていた。
きっと今の基準で考えると、虐待ということになるのではないかと思う。
でも、僕は虐待とは思っていなかった。
母なりの愛情の表現だと思っていた。
他にも半ズボンで通す子は多かった。
でも、雪の日だけは長ズボンを履かせてもらった。